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田植えの時期にだけ現れる妖精のはなし/埼玉県幸手市

「ホウネンエビ」って聞いたことありますか?
田植えの時期のごくわずかな期間にしか見られない田んぼの妖精と呼ばれる生き物です。

よく発生した年は豊作になるという言われから、豊年エビと呼ばれることも。

生息環境が限定され、昔はどこの田んぼにもいたらしいのですが、現在は見つけることの方が難しい。
また、大人になると小さな妖精のことを忘れてしまう。なんだかエモい。

そんなホウネンエビを小学生が観察できる取組み、環境学習を取材してきました。

先生は地域の大人! 見て聞いてて学ぶ環境学習

市内で環境に関するイベントなどの企画を行っている「さって市民環境ネット」のみなさんが先生です。

ホウネンエビだけでなく身近な草花も観察します。

学習のめあては「身近な植物、昆虫などに興味を持ち、その特徴や生態について調べ、SDGs17の目標の一つである人と自然が共存する方法を考えること」。

さて、準備は整いました。いよいよ授業が始まります。
実習室に入った途端、子どもたちの表情が輝き出しました。
観察器具を使いホウネンエビや野草を観察すると、あちこちから驚きや発見の声があがります。

「足がいっぱーい!」「背泳ぎしてるー!」

移り変わる時代のなかで子どもたちに伝えたいこと

地域のみなさんの協力があって、子どもたちが身近な環境に関する授業を体験できます。

「ホウネンエビなんかは自分たちが子どものころはたくさんいました。草花なんかも花飾りにしたり、食べれるものを見極めて口にしたりしていた。でも、今はね…。」

初めて見るホウネンエビに興味津々。

「それでも、子どもたち自身が、身近なところにあるものに興味を持って、自分で調べて、それが知識になって、関心が少しでも高まるのであれば協力する意味があると思います。」


子どもたちは今回学習したことを、大人になったら忘れてしまうかもしれません。
でも、田んぼをスイスイと泳ぐ妖精は、幸手市の子どもたちをずっと見守っています。

豊かな自然と先人たちの英知に支えられているまち幸手市の、環境学習の紹介でした。
ではまた。

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